今回は、依頼主のお父様の「形見の包丁」を栓抜きに作り替えました。依頼主がベルギービールのお店を営んでいることから、「王冠を綺麗に外すことができ、お土産としてお客様へ渡せる」をコンセプトに、世界に一つだけの栓抜きを設計しました。
先端の栓抜き部分は、現代包丁の源流ともいえる「和釘(巻頭釘)」をモチーフに鋼を叩き伸ばして成型し、下面にネオジム磁石を埋め込むことで、王冠を傷つけずに外せるだけでなく、飛ばすことなく外せる設計にしました。口金は鉄を楕円柱状に削り出して作り、ハンドル部分の木は経年劣化が激しかったため樹脂で固め、革紐で首にかけれられるように穴を開けました。
料理人であったお父様の意思を受け継ぎ、この栓抜きで沢山のお客様の笑顔を生み出していただければと願っています。




